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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十四話
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この人の顔を、僕は一生忘れない。

 ――――――――――ピンポーン。

 呼び鈴の音に、僕は体をビクリと震わせる。

 美海が、リヒトくんと一緒に帰ってきた……。


「心くん、お出迎えをお願いしてもいいですか。僕は手が離せそうにないので」

「……おやつを食べる前に、ちゃんと手を洗わせて。風邪をひくといけないから」

「……ん、わかった」


 晴久さんと理玖さんに見送られ、僕は玄関に向かう。

 リヒトくんって、どんな子なのかな……。

 外国の子っぽい名前けど……。

 美海の友達なんだから、僕も仲良くなれるといいな……。

 そんなことを考えながら、玄関の扉を開ける。


「……おかえり。リヒトくんもいらっしゃ……」


 僕は、予想外の光景に声が出なかった。

 ……美海の隣にいるのは、どう見ても子どもじゃなくて大人だった。

 ……浅黒い肌に赤い瞳のこの人の顔を、僕はあの日から一度も忘れたことはない。


「……美海、その人から離れてこっちに来て」

「え? しんにい、急にどうしたの?」


 急に様子の変わった僕とその人の間で、美海は不思議そうな顔をしてる。

 ……でも、美海にはこの人に近付いてほしくない。


「……その人は、僕たち家族をバラバラにした人だよ」


 だって、六年前に僕たちから父さんを奪った人なんだから……。

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