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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十四話
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シスコンでも、いい。

「……美海、いつも外で遊ぶの寒いでしょ? リヒトくん、うちに連れてきたら……?」

「ぜんぜんさむくないからへいき! リヒトくんとはそとでおしゃべりするの!」


 帰ってきた美海に早速うちで遊ぶことを提案してみたけど、一瞬で断られちゃった……。

 今日も、顔も真っ赤にして、鼻水を垂らしながら帰ってきたのに……。


「……じゃあ、今度は僕も一緒に行っていい? 美海の友達と、僕も友達になりたい」

「だめ! りひとくんはひとみしりだから、ほかの人のことはこわいんだって!」

「……リヒトくんって、男の子なんだよね? 何年生なの?」

「ないしょー!」

「……今日は、どんなお話をしたの?」

「それもおしえられないの! みうとりひとくん、二人だけのひみつだもん!」


 何を聞いても、教えてくれない……。

 そんなに隠されると、余計に気になってくるよ……。

 リヒトくんがどんな子なのか、全然わからないし……。

 僕が悲しそうな顔をしてることに、美海は気付いたみたいだ。

 小走りで駆け寄ってきて、ぎゅっと手を握ってくれる。


「しんにい、そんなかなしい顔しないで。こんどりひとくんにあったときに、つぎはしんにいもいっしょにきてもいいかきいてみるから。ひみつも、しんにいにはとくべつに話したいっておねがいしてみるね。だってしんにいは、みうの大好きなおにいちゃんだもん!」

「美海……。ありがとう……」


 ……我ながら、シスコンだとは思う。

 でも美海って、ほんとにいい子だよなぁ……。

 リヒトくんについては何もわからなかったけど、とりあえず一歩前進かな……?

 この日も僕たちは、仲良く手を繋いで眠ったんだ……。

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