シスコンでも、いい。
「……美海、いつも外で遊ぶの寒いでしょ? リヒトくん、うちに連れてきたら……?」
「ぜんぜんさむくないからへいき! リヒトくんとはそとでおしゃべりするの!」
帰ってきた美海に早速うちで遊ぶことを提案してみたけど、一瞬で断られちゃった……。
今日も、顔も真っ赤にして、鼻水を垂らしながら帰ってきたのに……。
「……じゃあ、今度は僕も一緒に行っていい? 美海の友達と、僕も友達になりたい」
「だめ! りひとくんはひとみしりだから、ほかの人のことはこわいんだって!」
「……リヒトくんって、男の子なんだよね? 何年生なの?」
「ないしょー!」
「……今日は、どんなお話をしたの?」
「それもおしえられないの! みうとりひとくん、二人だけのひみつだもん!」
何を聞いても、教えてくれない……。
そんなに隠されると、余計に気になってくるよ……。
リヒトくんがどんな子なのか、全然わからないし……。
僕が悲しそうな顔をしてることに、美海は気付いたみたいだ。
小走りで駆け寄ってきて、ぎゅっと手を握ってくれる。
「しんにい、そんなかなしい顔しないで。こんどりひとくんにあったときに、つぎはしんにいもいっしょにきてもいいかきいてみるから。ひみつも、しんにいにはとくべつに話したいっておねがいしてみるね。だってしんにいは、みうの大好きなおにいちゃんだもん!」
「美海……。ありがとう……」
……我ながら、シスコンだとは思う。
でも美海って、ほんとにいい子だよなぁ……。
リヒトくんについては何もわからなかったけど、とりあえず一歩前進かな……?
この日も僕たちは、仲良く手を繋いで眠ったんだ……。