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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十三話
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黎明

「……理玖、さっきはありがとう」

「……なんのこと」

「……心くんに怪我しているのって聞かれた時、話を合わせてくれたでしょう?」

「……突然、彼らに本当のことを言うわけにもいかないだろう」

「……うん、そうだよね」

「……君、いつになったら話すの」

「……話さなきゃいけないとは、いつも思っているよ」

「……でも、結局話してない。それって、彼らのことを信頼してない証だと思うけど」

「そんなことはっ……!」

「……隠し事をされてる彼らの立場に立っても、同じことが言えるわけ」

「そう、だよね……。そろそろ、本当に話さないと……」

「……君にとって、簡単に話せることじゃないっていうのは分かってるつもりだ。でも、これだけは言わせてもらいたい。彼らは、君が考えるよりも君のことを信頼してる。それは、簡単に揺らぐものじゃないはずだ。君は、その信頼に応えなければならないと思うよ」

「……うん。絶対に話すから、もう少しだけ心の準備をさせて……?」

「……君自身のことだ。時期は、君が自分で決めなきゃ意味がない」

「……その時は、隣にいてくれる?」

「……何言ってるの。そんなの、当たり前だろう」

「……ありがとう、理玖」

「……礼を言われるようなことじゃない」


 夜と朝の香りが混ざる、不思議な時間。

 二人の会話を聞いていたのは、白む空と神々しい日の光だけだった――――――――――。

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