爆発まで、あと――――――――――
――――――――――爆発まで、あと二十秒。
「くそっ! 二人とも、なんで戻ってこねーんだよ!!」
「離せ! 離せよ!! 俺は、二人を迎えに行くんだ!」
「………………………………」
「しんにい、とうかねえとりくにいが……」
「……大丈夫だよ。きっと、大丈夫だから……」
「……あはは。体の震えが止まんないんだけど……」
「……奇遇だね。僕もだよ。さっきから、通信機の操作もできないくらいだ……」
「……遠野、平気か。無理に立ち上がろうとしなくていい」
「は、はい、ありがとうございます……」
――――――――――爆発まで、あと十秒。
「……理玖、来てくれて本当にありがとう」
「……別に。僕が君に会いたいと思ったから、そうしただけだ」
「……死ぬかもしれないって思ったら、最後に浮かんできたのは理玖の顔だったよ」
「……君は本当に酷いよね。そんな風に言っても、一緒には生きてくれないんだから」
「……うん。そんな未来があれば、迷わず掴み取るのになぁ」
――――――――――爆発まで、あと三秒。
「爆発するぞ!」
「みんな! 伏せろ!!」
――――――――――爆発まで、あと零秒。
時計の針が十二時になった瞬間、王都に轟音が響き渡ったのだった――――――――――。