真実を知った時、彼らは
「………………………………!!」
「あっ! しんにいたちかえってきたよ!」
「みなさん、おかえりなさい」
その後、柊平たちは城を出て晴久、大和、美海と合流した。
理玖のことも気にはなったが、透花からの命令を優先することにしたのだ。
「理玖さんに会いましたか?」
「……ああ。城の中で会った。隊長の所へ向かったようだったが……」
「そうですか。少し席を外すと言ったきり戻らないので……」
「……二階堂から地図を受け取っていたので、迷わずに到着するはずだ。隊長と一緒ならば、なんの心配もない」
「……そうですよね。柊平さん、ありがとうございます」
一色隊の面々は、それほどの信頼を透花に置いているのだ。
――――――――――彼女が、自分たちに嘘を吐くという可能性など考えないほどに。
「爆発物処理班、撤収は終わったか!?」
「はい! 全ての班、撤収を完了しております!」
「結局、本物の爆弾は見つからなかったからな。間もなく犯行予告時刻だ。衝撃に備えろ!」
晴久を励ました柊平の耳に、信じられない言葉が入ってくる。
それは、他の隊員たちにも衝撃を与えた。
「……それは、どういう意味でしょうか」
柊平は、処理班の男に声をかける。
男の言っている意味が、上手く理解出来なかったからだ。
「……どういうも何も、言葉の通りだが」
「……私たちの隊は、爆弾を見つけ処理班に連絡をしました」
「……君、所属はどこだね」
「……一色隊です」
「……一色隊の者か。確かに、一色隊長から我々に要請があった。だがほぼ同時刻、他の場所でも複数の爆弾が見つかっていたんだ。ダミーかどうか確かめるために、全ての者が出払っていてな。一色隊長には、すぐに向かえない旨を伝えてある」
隊員たちはここで、透花が残酷な嘘を吐いたことに気付かされる。
「その後、犯行予告時刻に間に合わないので避難するように連絡を入れたが……。まさか、まだ戻って来ていないのか!? もう、五分と経たず爆発するぞ!」
「……くそっ!」
「透花さん!」
男の話を聞き、蒼一朗と颯が城内に入ろうとする。
だがそれは、この場にいた他の軍人たちに止められてしまった。
「やめろ! お前たちまで死ぬ気か!?」
「離せ! 離せよ!!」
「透花さん……! 理玖さん……!!」
晴久は、足に力が入らず地面にへたり込んでしまっている。
大和と美海を心配させまいと抱き締める心も、顔色が悪かった。
虹太からはいつもの飄々とした表情は消え去り、冷や汗が止まらないようだ。
湊人は必死に二人に連絡を入れるが、それが繋がることはなかった。
爆発まで、あと十分――――――――――。