僕を導くこげた臭い
「ハルくんと理玖を除いた七人で捜索にあたるわけだけど、手掛かりが何もないんだよね」
「……透花さん、あの」
「心くん、どうしたの?」
「僕、なんとなくなら場所がわかる、かも……」
静かに口を開いた心に、皆の視線が一斉に集まる。
「さっきから、火薬の臭いがするから……。花火だと思ってたんだけど……」
「心くん、でかした! それを頼りに、場所を特定することはできる?」
「臭いが強い方に行けばいいから、なんとなくこっち、くらいなら……。ぱかおならもっと細かい場所までわかると思うけど、僕の鼻じゃこれが限界……」
心は、常人よりも鼻が良い。
嗅ぎ慣れない火薬の臭いを辿れば、爆弾が隠されている近くまで行くことは可能だろう。
透花は、ちらりと自分の腕時計を時計を見る。
一色邸で留守番をしているぱかおを連れてきて捜索に協力してもらうには、時間がない。
「それで大丈夫だよ。心くん、案内よろしくね」
「……ん」
「じゃあ、早速行こう。何かあったら、その都度連絡をお願いします」
そう言うと、透花は六人の隊員たちを率いて歩き出した。
タイムリミットが迫る中、爆弾の捜索が始まったのだった――――――――――。