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贈り物の正体は……?
照明が消えたといっても、部屋が暗闇になったわけではない。
テーブルの上で、クリスマスキャンドルの火が揺らめいているからだ。
その証拠に心は黙々とケーキを食べ進めているし、皆もそれほど動揺していない。
「急にどうしたのかな?」
「……ブレーカーが落ちたのでしょうか。私が見てきます」
透花の問い掛けに、柊平が答え席を立とうとする。
「あれ? こんなとこに、こんなのありましたっけ?」
その行動は、颯の一言によって止められた。
彼の視線の先には、小さな箱が置いてある。
大きさやラッピングから見て、プレゼントだろうか。
「さっきまで、ここには何もなかったと思うんすけど……」
そう言うと颯は、ためらいもなく箱の蓋を開けた。
「……不審な物を、軽々しく開けるな」
「柊平さん、すんません! 俺、どうしても気になっちゃって! って、わあああああ!!」
「「「「「「「「………………………………!!」」」」」」」」
皆は、一斉に身構える。
颯の開けた箱から、白い何かが大量に舞い散ったからだった――――――――――。