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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十二話
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個性豊かなサンタたちからのプレゼント

「サンタさん、どうしてとうかねえにだけプレゼントくれないの……!!」

「…………………………!!」


 透花の手元にだけプレゼントがないのを見た大和と美海は、今にも泣き出しそうだ。

 二人を宥めようと透花が口を開きかけた時、リビングに大きな声が響き渡る。


「わ、わー! こんな所にプレゼントがあったっすよ!!」

「きっと透花さんへの贈り物だね」


 そう言ったのは、颯と心だった。

 颯は目が忙しなく泳いでいるし、心はいつにも増して棒読みだ。

 どう見ても怪しいのに、大和と美海の表情はパッと明るくなる。


「とうかねえ、あけてみて!」

「………………………………♪」

「……わあ、すごい!」


 美海と大和に促され、透花は大きな箱の蓋を開けてみた。

 するとそこには、小さな贈り物が八個も入っているではないか。

 一つ目は、咲き誇る花々が描かれ、上品にスワロフスキーがあしらわれたグラスだ。

 シャンパンを飲むのに、ちょうど良い大きさをしている。

 二つ目は、オシャレなランニングウェアだ。

 カラフルで派手にも見えるが、透花ならば着こなしてしまうのだろう。

 三つめは、優しい香りが漂うポプリだ。

 この香りが部屋中を満たせば、幸せな気持ちになれることは間違いない。

 四つ目は、爽やかなエプロンドレスだった。

 透花は機能的なエプロンしか持っていないため、これを贈りたいと考えたのだろう。

 五つ目は、アクセサリーを入れることも出来るオルゴールである。

 流れる旋律は耳にしたことのないので、オリジナルの曲なのかもしれない。

 六つ目は、レンズに度の入っていないいわゆる伊達眼鏡だ。

 透花は眼鏡を使わないので、見た目の雰囲気を変えたい時にかけると良いだろう。

 七つ目は、アルパカの顔がついたフードブランケットだった。

 透花が身に付けるには可愛過ぎる気もするが、彼女ならばこれすらも似合うはずだ。

 八つ目は、クリスマス限定のマニキュアだった。

 透花の華奢な指先を華やかに彩る、優しいピンク色だ。


「サンタさんもきっと、とうかねえのことだいすきなんだね!」

「………………………………☆」


 透花だけどう考えても数が多いことは、特に気にならないらしい。

 望み通り全員がプレゼントを貰えたことで、大和と美海はとても嬉しそうに笑う。

 それを見守る大人たちの笑顔も、この上なく優しいものだった――――――――――。

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