サンタさん、ありがとう! でもね……。
翌朝、大和と美海がリビングにやって来たのは他の皆が揃ってからだった。
どうやら、プレゼントが楽しみ過ぎてなかなか寝付けなかったようだ。
「サンタさんは!? きてくれた!?」
「…………………………!?」
クリスマスツリーの下にある大きな贈り物が目に入ると、一目散に駆け寄っていく。
「これ、プレゼントかな!? あけてもいいのかな!?」
「…………………………♪」
「……ん。美海と、大和くんのだと思うよ……」
「ほら、開けてみろって」
心と蒼一朗に促され、二人は包装紙を剥がしていく。
将棋盤とギターが現れると、大和と美海は満面の笑みになった。
「みうのほしかったギターだ! ピンクのやつ! かわいい!!」
「…………………………!!!!!」
「さっそくひいてみたい!」
「…………………………♪」
優しく触れたり、輝く瞳で見つめたりと、大和と美海は大興奮である。
その様子に誰もがほっこりとした気分になった時、美海がこう言ったのだ。
「みんなは!? みんなはプレゼントなにもらったの!?」
その言葉に、心と蒼一朗が答える。
「僕は、貰ってないよ……」
「おう。サンタさんは子どもの所にしか来ないからな」
「え……。サンタさん、おてがみよんでくれなかったのかな……」
「…………………………」
心と蒼一朗の返事を聞くと、美海と大和はあからさまに落ち込んでしまう。
先程まではあれほど喜んでいたのに、一体どうしたというのだろうか。
一色隊の大人たちは、そんな二人の様子に困惑してしまうのだった。
ただ一人、なんとなく事情を察した者を除いて――――――――――。