うさぎの着ぐるみ、全力疾走!
プログラムナンバー6、借り物競走。
「お前の顔の広さとコミュニケーション能力は一体どうなってんだよ……。一応勝負事なんだから、他の組のハチマキなんて普通は貸してもらえないもんなんじゃねーの?」
「俺の手にかかれば、こんなの朝飯前だよ~」
男性の部、一位、椎名虹太。
お題は緑組のハチマキだったのだが、偶然知り合いを見つけた彼は巧みな話術でそれを入手し、トップでゴールテープの切ったのだった。
プログラムナンバー9、玉入れ。
「ハル、がんばってたな」
「ありがとうございます。でもなぜか、玉がたくさん顔に当たりました……」
これには、晴久が参加した。
顔で玉を受けながらも頑張ったのだが、白組は残念ながら四位だった。
プログラムナンバー10、仮装レース。
「仮装って結構走りにくいんだね」
「いや、その格好であれだけのスピードで走れたら充分だろ……」
女性の部、一位、一色透花。
ものすごいスピードで走り抜けるうさぎの着ぐるみに、周囲は唖然としていた。
プログラムナンバー13、障害物競走。
「……訓練かよ」
「いや、それよりも大分楽だったが」
男性の部、一位、久保寺柊平。
平均台を渡り、網をくぐり、抜け袋を抜け、縄梯子をくぐり、麻袋に入ったままゴールする。
全ての動作を淡々と、それでいて正確にこなす柊平に敵う者はいなかった。