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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十二話
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みんなの意見を聞かせてくれ

「……というわけなんだ。みんなはどう思うか教えてくれ。ちなみに俺は、大和は足つきの将棋盤が欲しいんじゃねーかと思ってる。今は、折り畳み式のやつ使ってるからな」

「美海は、やっぱりギターかな……」


 大和と美海が既に眠ったのを確認してから、蒼一朗と心は皆をリビングに集めた。

 万全を期すために、他の者たちにも相談に乗って欲しいと考えたのだ。

 若干名が今すぐ部屋に戻りたいという表情をしているが、完全にスルーしている。


「僕も、大和くんは将棋盤だと思いますよ。この間、将棋盤と駒の職人のテレビをやってたんですけど、それを食い入るように見てましたから」

「俺も、美海ちゃんはギターだと思うよん♪ 前に話した時、サンタさんにギターお願いするって言ってたし、実際にこういうのが欲しいって一緒にカタログも見たしね~」


 蒼一朗と心の意見に賛同したのは、湊人と虹太である。

 二人はそれぞれ、分野こそ違うが大和と美海の師匠なのだ。

 この二人の言うことなら、十中八九間違いないだろう。

 それに異を唱えたのが、柊平と颯だ。


「……戦隊ものの変身ベルトのコマーシャルを、欲しそうに眺めているのを見たが」

「美海ちゃんは、かわいい寝間着が欲しいとも言ってましたよ! いっつも着てるようなパジャマじゃなくて、ふわふわもこもこのルームウェアってやつっす!」


 この発言をきっかけに、あれも欲しそうだった、これはどうかと次々に意見が飛び出す。

 いつまで経ってもまとまらない話し合いに、理玖が溜め息を吐いた。


「……子どもなんだから、欲しい物なんていくらでもあるだろう」

「そうですね。それに、普段から欲しいと思っている物と、サンタさんにお願いした物が同じとは限りませんし……」


 晴久の言葉に、蒼一朗と心が大きく頷く。


「それなんだよな……。二人とも、サンタには手紙を書いたって言ってんだけどよ……」

「部屋中探したけど、どこにもなかった……」

「え? その手紙なら、俺がサンタさんに出したよ~☆」


 “こいつは何を言っているんだ”というような視線が、虹太に突き刺さる。

 だがそんなことを気にする様子もなく、虹太はいつものように朗らかに笑うのだった――――――――――。

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