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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十二話
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サンタさんにおてがみかいたよ!

 冬も本番になり、寒い日々が続いている。

 一色邸のリビングでは、大きなクリスマスツリーが存在感を放っていた。

 楽しそうにオーナメントを飾っている大和と美海に、蒼一朗と心が声をかける。


「二人とも、楽しそうだな」

「………………………………♪」

「うん! だって、ことしはサンタさんが来てくれるかもしれないんだもん! みう、今までプレゼントもらったことないからとってもたのしみ!」

「……サンタさんに、何をお願いしたの?」


 正確に言うと、美海は去年のこの時期には既に一色邸に住んでいた。

 だが、母親の元を離れてから日が浅く、まだ精神が不安定だったのだ。

 故に、今年のようにクリスマスツリーを置いたり、パーティーを開いたりはしなかった。

 プレゼントも、サンタクロースからではなく透花が渡したという過去がある。

 今年は初めてサンタクロースが来るということで、興奮も一入なのだろう。


「サンタさんにはもうおてがみかいたよ! ねっ、やまとくん!」

「………………………………☆」

「だから、しんにいたちにはひみつー!!」

「………………………………!」


 人差し指を唇に当て笑う二人に、蒼一朗と心は面食らってしまう。

 プレゼントに何が欲しいかを探りにきたのに、何の情報も得られなかったからだ。

 これ以上聞いても、恐らく二人は話さないだろう。


「あっ、このかざり、ひもがきれそう! しんにい、なおしてー!」

「……う、うん」

「そうにいは、やまとくんかたぐるましてあげて! てっぺんにおほしさまかざるから!」

「お、おう」


 兄二人の悩みなど知る由もない弟妹たちは、純粋な笑顔を浮かべている。

 ――――――――――二人の笑顔を更に輝かせるために、最高の贈り物をしたい。

 そう考えた蒼一朗と心は、真剣な表情で頷き合ったのだった。

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