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晴れた空に飛び散る焼きそば
あっという間に、地域運動会当日になった。
気持ちいいくらいの晴天のため、会場となった運動公園は例年よりも多くの人でごった返している。
今回は、開催される地域を六つの区画に分け、チームが編成される。
黄・緑・紫・赤・白・青の六つのうち、蒼一朗たちの区画は白組に振り分けられた。
今日はこのチームで、優勝を目指すのだ。
蒼一朗と、隼輔の兄である恵輔の勝負は、最終種目のリレーで行うことになった。
大和と隼輔が話し合い、自分たちで決めたのだ。
それまで時間があるので、各々が出たい競技に出ることにした。
プログラムナンバー1、徒競争。
「お前、相変わらず足速いなー。短距離なら俺より速いんじゃねーの?」
「いやいや、俺なんて全然っす! リーチが違うから敵いませんよ!」
高校生の部、一位、緒方颯。
元々運動神経のよい颯は、断トツの一位だった。
プログラムナンバー4、パン食い競争。
「心、わざわざ食べにくいパン選ぶことないだろ……」
「……でも、これが食べたかったから」
男性の部、三位、結城心。
心の顔は、焼きそばにまみれている。