みんなに笑顔を届けるよ!
遂に、夏生たちのコンサート当日になった。
一色隊の面々は、楽屋にて開演時刻を待っている。
当初招かれていたのは、今回の出来事に深く関わった颯と虹太だけだった。
だが実際には、他の者たちも多少なりとも協力している。
それを夏生の事務所に伝えると、全員が招待される結果となったのだった。
女性客がひしめく客席で、颯が平静を保てるわけがない。
故に、客席ではなく楽屋のモニターで夏生たちを見守ることにしたのだ。
ちなみに、日菜子や寧々はどうしても都合がつかずに不参加である。
由莉も、協力していたことが知られると困るのでここに来ることは出来ない。
「始まりましたよ! みんな、キラキラしてんなぁ……!!」
「うん☆ 衣装も曲もお客さんに好評みたいだし、よかったね~!」
開演時刻になり、コンサートは幕を開けた。
颯がデザインした衣装を身に纏い、虹太が作った旋律に歌声を乗せる。
夏生たちの輝く姿は、皆をあっという間に魅了した。
コンサートは、観客たちと一体になりながら順調に進んでいく。
だが中盤に差し掛かろうというところで、事件は起こったのだった――――――――――。