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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十話
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みんなで仲良くわいわいと

 この日、とある人々が一色邸に集められていた。

 庭師として働く大吾の妻の日菜子、颯に想いを寄せる女子高校生の寧々、晴久、蒼一朗、颯、そして今回の講師となる由莉だ。

 夏生の事務所は歌詞やダンスの制作、その他の準備で手一杯のため、颯が衣装作りも引き受けることになったのだ。

 自分一人では到底間に合わないため、颯は隊員たちに助力を求めた。

 そこで手を上げたのが、編み物などの手芸が得意な晴久、ワイルドな見た目に反し手先が器用な蒼一朗だったのである。

 最近日菜子が裁縫をよくしているという話を大吾から聞いていた理玖が、彼経由で日菜子にも声をかけた。

 女性が介入するということに難色を示した颯だったが、背に腹は代えられないということ、そして日菜子の人柄も知っているので了承したらしい。

 人数が増えてくると、統率する存在が必要だ。

 駄目元で由莉にお願いしてみたところ、なんと快諾してくれたのだ。

 これくらいならば、件のデザイナーに知られることもないと判断したのだろう。

 必要な生地や型紙なども、全て由莉が用意したものである。

 寧々は、そんな由莉に誘われこの場まで来た。

 彼女の颯への気持ちを応援する由莉の心遣いのようだ。

 寧々は裁縫が得意なので、人手が欲しい颯は断れなかったのだ。


「じゃあ、やっていくわよ。わからないことがあったらなんでも聞いてちょうだいね」

「うっす!」

「は、はいっ!」

「うす」

「はい」

「よろしくお願いします」


 基本的にそこまで尖った性格の人間がいないので、作業は和気藹々と進んでいく。

 最初は緊張していた寧々だったが、日菜子や晴久という柔らかな面々と会話したことで徐々にこの場の雰囲気に慣れてきたようだ。

 肝心の颯とは、未だに一言も話せていないのだが。

 衣装作りが始まり、二時間ほど経った頃のことである。


「みんな、お疲れ様。私も仲間に入れてもらってもいいかな」


 大量のペットボトルを抱えた透花が、部屋に入ってきたのだった。

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