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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第一話 桜舞う日に
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予感

 二十分ほどすると、透花は何本かの傘を持って戻って来た。

 空は先程と変わらず、晴天である。


「一色殿、その傘は……」

「雪が降りそうな気がしましたので、持ってまいりました。王様ともあろう方が濡れてしまっては大変です。こちらをお使いください」


 しかし、快晴そのものである空から、雪が降る気配はない。

 それに、今は花見の季節である春なのだ。


「う、うむ……」


 王は訝しみながらも、傘を受け取った。


「皆様も、よかったらお使いください」


 透花は、王の周りにいた側近や他の隊長たちにも傘を差し出す。

 王と同じように訝しみながらも受け取る者もいたが、ほとんどは――――――――――。


「いや、結構。こんなにいい天気なのに、雪が降るはずありませんからな」

「私もだ。ヴァンには毎年、雪などほとんど降らん。それが、春のこんなよい天気の日に降ることなどまずなかろう」


 透花を馬鹿にし、傘を受け取らなかった。


「そうですか。では、こちらに傘を置いておくので、使いたくなったらお使いになってくださいね」


 透花は特に気に留める様子もなく、傘を近くに置いた。

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