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まっしろなばしょ
「ま、まぶしい……!」
光に飲み込まれたヤマトは、いつの間にか真っ白な空間に立っていました。
手を繋いでいたミウも、二人を見守っていたはずのみんなもいません。
「みんなー! どこー!?」
必死に声を出してみても、自分の声が跳ね返ってくるだけです。
ずっと一緒にいたみんながいないことに、ヤマトは不安を覚えます。
「勇者様、この度は世界を救っていただきありがとうございました」
「めがみさま……?」
そんなヤマトを優しく包み込んだのは、トウカの声でした。
姿は見えませんが、はっきりと聞こえました。
ですが、その声はだんだん小さくなっていきます。
「冒険の続きは……」
「めがみさま、なんていったの? ぼく、よくきこえなかったよ……!」
その問いに答えることなく、トウカの声は完全に消えてしまいます。
ヤマトは再び大きな光に覆われると、静かに意識を失ったのでした。