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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第六話 ヒルガオが見た兄弟のかたち
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おとことおとこのたたかい

「……やまと、勝負だ!!」


 そんな和やかな空気を破ったのは、隼輔の大きな声だった。

 大和は驚き、彼の方を見る。


「今度の地域運動会で、速かった方のにいちゃんが勝ちだ! お前のにいちゃんが勝ったら、おれがお前のいうことを一つだけなんでもきいてやる! おれのにいちゃんが勝ったら、お前はおれのいうことを一つだけなんでもきけ! わかったか!?」


 隼輔の勝手な言い分に、周りの女子たちは黙っていない。


「ちょっと、しゅんすけくん! 何勝手に決めてんの!」

「そうよ! やまとくん、やるなんて言ってないじゃん!」


 しかし、黙っていないのは女子だけではなかった。


「女はだまってろよ!」

「これは、男と男のたたかいなんだ!」


 先程隼輔と話していた男子たちも加わり、大和が何かを伝える隙もなくみんなはどんどんヒートアップしていく。


「やまとくん、大丈夫だよ。おうちに帰ったら、一緒にそうにいにお願いしよう。もしそうにいが無理だったら、あんまり足は速くないけどしんにいにたのめば……」


 美海が優しく大和に声をかけたのを見て、隼輔は大和を睨みつけた。


「やまと! 当日、絶対にげんなよ!」


 最後に捨て台詞を吐くと、隼輔は怒った様子でどこかに行ってしまった。

 大和は、困惑したままその場に取り残されたのだった。

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