コミカル三人衆、到着!
「ソウイチロウ、だいじょうぶ!?」
「おまっ、ミウ! 危ないから隠れてろって言ったろ!」
「そんなことできないよ! だってシュウヘイは、ミウをつれもどしにきたんでしょ!? ミウ、ぜったいにかえらないからね! うちより、ここの方が楽しいんだもん!」
「貴様、姫様に何をした!? 聡明な姫様がこのようなことを仰るなどありえない!」
「どいつもこいつも、俺の話を聞かねえな……」
シュウヘイとミウの言い争いに巻き込まれ、魔王は困っています。
どうやら彼は、ソウイチロウという名前のようですね。
ヤマトはおろおろしながらも三人に近付くと、声をかけました。
「シュウヘイ、おちついて。少しこの人の話をきいてみようよ」
「勇者様、しかし……!」
「ミウちゃんも。それじゃあ、言いたいことがつたわらないよ」
「ヤマトくん……」
「魔王さん、お話をきかせてもらえますか?」
「ああ。話が通じる奴がいてよかったぜ……」
ヤマトの目にも、ソウイチロウが悪者には見えないようですね。
なんとかいい雰囲気に持っていこうと一生懸命です。
ここで、部屋の外から何かが近付いてくる音がしました。
「うわああああああああああ! 目が回るぜええええええええええ!!」
「やばい! スピードが出すぎたぞ!」
「……大丈夫。きっと、魔族は体が頑丈だよ……」
ハヤテが、転がったまま扉を破って入ってきたのです。
後ろから、シンとぱかおもやって来ます。
「お前、何があったらこんなことになんだよ!?」
「あっ、魔王! 無事っすか!? 殺されてなくてよかったっす!」
「物騒なこと言うなよな……」
ソウイチロウが受け止めてくれたおかげで、ハヤテは壁などに激突せずに済みました。
三人の乱入により、この場のムードは一気に緩いものへと変わっていくのでした。