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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十九話
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この毛の恨み、晴らさでおくべきか!

 お城の中には、まだモンスターが残っていました。

 ヤマトたちは戦いながら、少しずつ上の階に移動していきます。

 あと五階ほどで、魔王と姫がいる最上階に着きます。


「……勇者様、伏せてください!」

「えっ……!?」

「ぱかお、大丈夫?」

「ちょっぴりかすったぞ! オレの自慢の毛によくも~!!」


 そんな彼らに、突然弾丸が襲い掛かりました。

 なんとか躱しましたが、ぱかおの毛を少し掠ったようです。


「当てるつもりで撃ったのに、避けるなんてやるな!」

「……先程までの奴らとは、格が違う敵が出てきましたね。ここは私に任せて、勇者様は先に行かれてください。二人とも、勇者様を頼む」

「いやだ! こいつのあいてはオレがする!」

「……ぱかお一人じゃ不安だから、僕も残るよ。だから、シュウヘイとヤマトは先に行って」


 自慢の毛を傷付けられたことを、ぱかおはとても怒っているようですね。

 敵意を剥き出しにして、今にも相手に飛びかかっていきそうな勢いです。


「……わかった。じゃあ、ここはお前たちに任せる。勇者様、よろしいですか?」

「うん。……ぜったいに勝って、すぐに追いついてきてね!」

「任せとけ! こんな奴、オレの手にかかればイチコロだ!」

「……がんばる」


 ヤマトとシュウヘイは、この場をシンとぱかおに任せ先を急ごうとします。

 ですが、それを敵が簡単に許してくれるはずがありません。


「通さねーよ! がっ……!」


 再び銃を打とうとした敵の体に、ぱかおがタックルをかまします。

 そのおかげで、銃弾がヤマトとシュウヘイに向かうことはありませんでした。


「お前の相手はオレだ! この毛の恨み、絶対に晴らすからな!」

「……今のうちに行って」

「わかった! 二人とも、ありがとう!」

「……くれぐれも、無茶はするなよ」


 敵が行動不能になっている間に、ヤマトとシュウヘイは廊下を駆け抜けます。

 こうしてこの場を切り抜けることに成功した二人は、最上階へと急ぐのでした。

 そして銀髪の刺客対シンとぱかおの戦いの火蓋も、切って落とされたのでした。

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