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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十九話
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ちゃんとかえすから、もう少しだけかしてね

「じょうほうやさんの話とちがうね……」

「……そうですね」


 ヤマトたち一行は、魔法使いが住むと言われる森に足を踏み入れています。

 しかし情報屋の話とは違い、いくら歩いても入口に戻されることはありませんでした。

 それどころか、どんどん森の奥に進めてしまうのです。


「……知らない間に、魔法を解くためのアイテムを入手していたのでしょうか」

「ぼく、ジャムとお守りしか持ってないのに……」


 ヤマトは鞄からジャムの入った瓶を、服の下からお守りを取り出します。

 お守りは、紐を首にかけて持ち歩いているようですね。


(そういえば、中にはなにがはいってるのかな?)


 ヤマトは中の物を落とさないように、慎重に袋を開きます。

 すると、コロンとした小さな赤い石が出てきました。

 シュウヘイと二人で、掌のそれを覗き込みます。


「きれいな石がはいってる」

「……これは、ルビーですね」

「ルビーって、ほうせきの?」

「はい。ルビーには、魔除けの力があるとも言われています」

「じゃあ、このおかげで先にすすめるのかな?」

「……確信はありませんが、おそらくはそうかと」

「これをくれた女の子にかんしゃだ! あっ、でも、ほうせきって高いんだよね……?」

「そうですね。物によりますが、これはとても立派に見えます」

「じゃあ森を出たら町にもどってあの子にかえさなきゃ! こんな高いものもらえない!」

「……勇者様らしい、立派な心掛けだと思います。では、なくさないようにそれは袋に仕舞っておきましょう。この森の中で落としたら、探すのが大変ですからね」

「うん!!」


 ヤマトは、袋の中にルビーを入れます。

 そしてまた紐を首に通し、服の下に大切に仕舞います。


「おい! この先に家があったぞ!」

「うん……。いかにも、魔法使いが住んでそうな家だったよ……」


 偵察に行っていた、シンとぱかおが戻ってきました。

 ぱかおは人間よりも鼻が利きますし、シンは飛んでいるので疲れにくいです。

 だから、二人に偵察をお願いしたんですね。

 こうして四人は、魔法使いの家に向かったのでした。

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