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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十九話
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どうぶつぎらいのじょうほうやさん

 情報屋がいるという町には、すぐに到着しました。

 その男が拠点としている酒場に、三人と一匹は向かいます。


「……すまない。あなたが情報屋だろうか」

「はい。お客さんですか?」

「……ああ。売ってもらいたい情報があるんだが」

「どうぞ、座ってください。報酬さえ貰えればどんな情報でも売りますよ」


 情報屋は、ミナトと名乗る眼鏡をかけた青年でした。

 彼に促され、みんなは席に着きます。


「早速なんだが……」

「ああ、ちょっと待ってくださいね」


 シュウヘイが話を切り出そうとしたところで、遮られてしまいます。


「報酬の話が先です。僕の情報は高いので」

「……これでは少ないか?」


 シュウヘイは懐から小さな袋を取り出すと、それをテーブルの上に置きます。

 中身を見たミナトは、爽やか過ぎる笑顔を浮かべました。


「はい、少ないですねぇ。これじゃあ、とてもじゃないけど情報は売れません。申し訳ありませんが、今回の話はなかったことに……」

「そんな! 頼む! ジョウホウを売ってくれよぉ!」

「ど、どどど動物……!?」


 いきなり膝に飛び乗ってきたぱかおに、ミナトは驚きを隠せません。

 そう、彼は動物が苦手なのです。

 ずっと足元にいたぱかおに、今まで気付いていなかったようですね。


「なぁ! 頼むよぉ~!」

「ひっ……!」


 そんなミナトの事情などお構いなしに、ぱかおは体を擦りつけます。

 もふもふの毛は、彼の自慢なのです。


「わっ、わかりました! 特別にこの値段で売るので! だから、離れてくれないか……!」

「わーい! やったぞ! オレ、交渉上手ってやつだな!」

「……ぱかお、すごい」

「……助かったぞ」

「ぱかお、ありがとう」

「どうして僕がこんな目に……!」


 こうして三人と一匹は交渉に成功し、情報を売ってもらえることになったのでした。

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