どうぶつぎらいのじょうほうやさん
情報屋がいるという町には、すぐに到着しました。
その男が拠点としている酒場に、三人と一匹は向かいます。
「……すまない。あなたが情報屋だろうか」
「はい。お客さんですか?」
「……ああ。売ってもらいたい情報があるんだが」
「どうぞ、座ってください。報酬さえ貰えればどんな情報でも売りますよ」
情報屋は、ミナトと名乗る眼鏡をかけた青年でした。
彼に促され、みんなは席に着きます。
「早速なんだが……」
「ああ、ちょっと待ってくださいね」
シュウヘイが話を切り出そうとしたところで、遮られてしまいます。
「報酬の話が先です。僕の情報は高いので」
「……これでは少ないか?」
シュウヘイは懐から小さな袋を取り出すと、それをテーブルの上に置きます。
中身を見たミナトは、爽やか過ぎる笑顔を浮かべました。
「はい、少ないですねぇ。これじゃあ、とてもじゃないけど情報は売れません。申し訳ありませんが、今回の話はなかったことに……」
「そんな! 頼む! ジョウホウを売ってくれよぉ!」
「ど、どどど動物……!?」
いきなり膝に飛び乗ってきたぱかおに、ミナトは驚きを隠せません。
そう、彼は動物が苦手なのです。
ずっと足元にいたぱかおに、今まで気付いていなかったようですね。
「なぁ! 頼むよぉ~!」
「ひっ……!」
そんなミナトの事情などお構いなしに、ぱかおは体を擦りつけます。
もふもふの毛は、彼の自慢なのです。
「わっ、わかりました! 特別にこの値段で売るので! だから、離れてくれないか……!」
「わーい! やったぞ! オレ、交渉上手ってやつだな!」
「……ぱかお、すごい」
「……助かったぞ」
「ぱかお、ありがとう」
「どうして僕がこんな目に……!」
こうして三人と一匹は交渉に成功し、情報を売ってもらえることになったのでした。