勇者ヤマトと愉快な仲間たち
ヤマトは、みんなから話を聞きました。
甲冑を身に纏った男はシュウヘイ、この国の姫に仕える聖騎士です。
羽の生えた小さな少年はシン、ヤマトの昔から友達である妖精です。
最後に、銀色のふわふわの毛を持つアルパカはぱかお。
お腹が空いて行き倒れていたところをヤマトに助けられて以来、一緒に旅をしています。
「……僕たちは、魔王に囚われたお姫様を助けに行くところなんだよ」
「なんだ!? 覚えてないのか!?」
「……勇者様は頭を打ったんだ。記憶が混乱しているのかもしれない」
ヤマトは足を滑らせて転んでしまい、その拍子に頭を打ち気絶していたのでした。
(ぼくが、ゆうしゃ……。おひめさまを、助けに行く……)
そう言われると、なんとなくそんな気がしてきます。
二人と一匹とは別のどこかで会ったことがあるような感覚や、自分の声が出ないという記憶はいつの間にかなくなっていました。
全てに納得したヤマトは、控えめに口を開きます。
「……そうだったね。これから、どうするの?」
「魔王を倒すための武器を手に入れなければなりません」
「でも、どこにあるかは情報屋しか知らないんだぜ!」
「……その情報屋が、この先の町にいるんだって。これから、そこに行くんだよ」
「わかった。じゃあ、しゅっぱつしよう!」
四人の未来には、どのような冒険が待ち受けているのでしょうね。
こうして、勇者ヤマトと愉快な仲間たちの旅は始まったのでした。