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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十八話
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身に染みる言葉たち

「はあっ……! はあっ……!!」


 蒼一朗は、頭を空にしてがむしゃらに走り続けていた。

 だが、逆走した分も含み予定よりもかなり長い距離を走ることになった。

 そのために、ペース配分を誤ってしまったのだ。


(くそっ……! 部長のとこまで、あとどれくらいだ……!?)


 緩やかではあったが、少しずつ速度が落ちていく。


「頑張ってください……!」

「ファイト~!!」

「そうにい、がんばれー!!」

「蒼一朗さん、久米さんの所までもう少しだよ……!」


 そんな彼の耳に、聞き慣れた声が届く。

 少し先の沿道に目をやると、そこには今日の大会に出ていない一色隊の面々に加え、美海と大和がいた。

 声援を送っているのは、晴久、虹太、美海、透花である。

 声が出せない大和も、身振り手振りで必死に応援していた。

 理玖と湊人は口には出さないものの、蒼一朗の走りを真剣に見守っている。


(みんな、ありがとな……!)


 声援とは、不思議なものだ。

 それを聞くだけで、どこかから力が湧いてくるのだから。

 蒼一朗は前を見据え、ひたすらに走り続ける。

 恵輔に襷を繋ぐ場所まで、もう少し――――――――――。

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