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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十八話
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新たな、大きな一歩

「……部長は、俺らがどこか本気じゃないのに気付いてたんだと思う。だから異隊の話も、プレッシャーにならないように言わなかったんじゃないかな」

(……そんな器用な人には見えねーけど)

「こんな俺らを部に置いてくれて、普通に仲間扱いしてくれること、すげー感謝してるんだ。……っつーわけで、やっぱり大会に出るよ。……いや、出たいんだ!」

「おう。いいんじゃねーの」


 あっけらかんと言い放った蒼一朗に、部員たちは驚きを隠せない。

 都合がいいという自覚はあるので、辛辣な言葉をかけられると思っていたからだ。


「……昨日はあんなこと言ってたのに都合よすぎだろ、とか言わないのか?」

「言わねーよ。俺のこと、なんか誤解してないか?」

「中途半端なことは絶対に許さない奴だと思ってるんだけど……」

「まあ、そうだな」

「じゃあ……!」

「だってお前ら、ちゃんと覚悟決めたんだろ。じゃあ、中途半端でもなんでもねーじゃん」

「「「「「………………………………!!」」」」」


 その言葉は、部員たちにとって嬉しいものだった。


「……俺の方こそ、お前らのこと誤解してた」


 蒼一朗は気まずそうに視線を漂わせながら、口を開く。


「……もう、練習には来ないと思ってた。でも、今日の練習見てお前らにも熱いところがあるってわかったわ。俺、そういうの好きだぜ。……大会、一緒に頑張ろうな!」

「ああ! 改めて、今日からよろしくな!!」


 蒼一朗と部員の一人が、固い握手を交わす。

 こうして駅伝部は、一ヶ月後の大会に向けて新たな一歩を踏み出したのだった――――――――――。

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