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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十八話
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昨日までと変わらぬ風景

 翌日、蒼一朗が練習に行くと、予想通り部員たちはグラウンドに来ていなかった。

 だが、恵輔はいつものように朗らかで、特に変わった様子はない。


「柏木くん、今日も張り切っていこう!」

「うす。……あの、部長。他の奴らは?」

「まだ来てないよ。任務が長引いてるんじゃないかな?」

「……そうっすね」

「先に練習を始めておこう」


 どうやら彼らは、まだ恵輔に話をしていないようだ。

 彼らの態度に苛立ちを感じながらも、蒼一朗は練習を始めた。

 それから、二十分ほど経った頃だろうか。


「「「「「遅れてすみません……!」」」」」


 棄権をすると言っていた五人の部員たちが、グラウンドにやって来たのだ。


「ごめんね。先に始めちゃったよ」

「いえ。俺らが遅かったのが悪いんで」

「ストレッチをしたら、練習に加わってくれるかな」

「「「「「うす!」」」」」


 部員たちは何事もなかったかのようにストレッチを始める。

 そしてそのまま、練習に加わった。


(どうなってんだ……?)


 彼らの練習態度が、昨日までとはまるで違うのだ。

 淡々とメニューをこなしているだけだった彼らの瞳には、確かな熱意が籠っている。


(さっきの感じだと、部長が説得したとかでもなさそうだし……。何があったんだ?)


 グラウンドには、人数が少ないながらも活気が溢れている。

 そして、蒼一朗の疑問が解けないままこの日の練習は終了したのだった。

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