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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十八話
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それは、思わず声を呑むほどの

「いやー、みんなそれぞれに長所があって素敵なランナーだね!」


 本日の練習を終えた蒼一朗、柊平、心、颯、そして恵輔の四人は帰路に就いていた。

 助っ人の三人の能力が想像以上に高かったため、恵輔からは笑みが零れる。


「結城くんは持久力があるね! ずっと同じペースで走り続けられるのはすごいことだよ」

「部活で、体力作りのために走ってるから……」

「それに対して、緒方くんは瞬発力が素晴らしい! ほんとに部活とかやってないの?」

「やってないっすね! でも、たまに蒼一朗さんについていってトレーニングしてます!」

「久保寺くんは、バランスの取れた走りだったね。長距離も短距離もいけるんじゃない?」

「……ありがとうございます。久米さんに比べればまだまだですが」


 恵輔の親しみやすい性格のおかげか、すっかり三人と打ち解けているようだ。

 その光景を穏やかな気持ちで見守っていた蒼一朗だったが、あることに気付く。


「やべっ。練習着が入った袋忘れてきた。洗濯しないとなんねーのに……」

「柏木くん、大丈夫? 僕たちここで待ってるから、取ってきなよ」

「すんません。でも、走って追い付くんで先行っててもらって平気っす!」


 そう言うと、急いで部室へと引き返す。

 中にはまだ部員たちが残っているようで、電気が点いていた。


(さっさと取って、戻んねーと……)


 蒼一朗がドアノブに手をかけようとした、その時のことだった。


「まさか、俺らが出場することになるなんてな……」

「そういうのがないから気楽にやってこれたのに……」

「……お前、どうする?」

「うーん、正直出たくない……」

「俺も……。棄権、するか……?」


 部室の中から、耳を疑うような声が聞こえてきたのは――――――――――。

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