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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十八話
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少年のような笑顔で

 翌日、蒼一朗が柊平、心、颯の三人と一緒に練習に行くと、恵輔が駆け寄ってきた。


「後ろの三人は、一色隊の人たちだよね。もしかして、助っ人!?」

「うす」

「柏木くん、ありがとう!! 僕や他の部員たちも知り合いをあたってみたんだけど、全然ダメでさ。これで十人揃ったから、大会に出られるね!」


 恵輔は、少年のような笑顔を浮かべて喜んでいる。

 彼の言う通り、蒼一朗以外は助っ人を連れて来られなかったようだ。

 グラウンドは、昨日と同じように静かなままである。


「改めまして、こんにちは。僕は駅伝部の部長をやっている、久米恵輔という者です。地域運動会の時に会ってるんだけど、覚えてるかな?」

「……覚えてます。僕は結城心、です……。よろしくお願いします……」

「俺も覚えてるっす! 蒼一朗さんより足が速くてめっちゃビビりましたもん! 俺は緒方颯って言います! よろしくおなしゃーす!!」

「結城くんと緒方くんか。こちらこそ、よろしくお願いします。今回は本当にありがとう!」


 心と颯の名前を聞いた恵輔は、柊平の方を向く。

 この二人には、地域運動会以外での面識もあるのだ。


「久保寺くん、久しぶり。その節はお世話になったね」

「……いえ、こちらこそ。隊員がご迷惑をおかけしました」

「……あー、そっか。夏休みに俺が酔っぱらった時の……」

「うん。彼が迎えに来てくれたからね。その時に自己紹介したんだ」

「……二度と、あんなことはごめんだからな」

「わーってるって。もう、あんな飲み方しねーよ」


 夏に蒼一朗が恵輔と酒を飲んでいた際に、自力では帰れないほど酔っぱらってしまった。

 この時に蒼一朗を迎えに来てくれたのが、柊平だったのだ。

 蒼一朗は全く覚えていないが、二人は自己紹介をしていたらしい。


「じゃあ早速だけど、どれくらい走れるのか見せてもらえるかな? 僕と一緒に走ってくれればいいからね。辛くなったら、遠慮なく言ってくれて大丈夫だから」

「はい……」

「ラジャーっす!!」

「……わかりました」

「柏木くん、君は他のみんなと一緒に練習を始めておいてくれる?」

「うっす。じゃあ、また後で」


 こうして蒼一朗は四人の元を離れると、練習を開始すべく他の部員たちのところへと向かったのだった――――――――――。

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