表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第五話 菜の花から溢れ出る
45/780

二人の約束

 任務から戻った翌日、晴久と透花は再びお茶会を楽しんでいた。

 しかし、この間とは変わったことがある。

 そこには、テレビで中継されているサッカーの試合を見ながら、先程作ったシュークリームをお茶請けに紅茶を飲む晴久の姿があったのだ。

 熱心に視線を向ける先に映っているのは、雅紀だ。


「ハルくーん。テレビばかり見ていると、お茶零しちゃうよ」

「あ……! ごめんなさい。透花さんといるのに、僕ずっとテレビばかり見てましたね……」

「ううん、大丈夫だよ。初の単独外部任務だから少し心配していたのだけれど、そんな必要なかったなぁって思っていたの」

「え……?」

「今のハルくんを見ていたら、任務が大成功だったって伝わってくるよ」


 晴久の表情には、今まではなかった自信が宿っているように見えた。

 彼は穏やかな微笑みを浮かべると、紅茶を一口含む。


「……大成功だったかは、自分ではわかりません。でも、とても楽しかったです。こんなに楽しいのが初任務でいいのかと思うくらいですから」

「それならよかった。これからも、単独任務でできそうなものがあれば受けてもらえる?」

「はい、ぜひお願いします」


 晴久は視線をテレビへと移すと、ぽつりと呟いた。


「……雅紀くんと、約束したんです」

「どんな約束をしたの?」

「雅紀くんがこの国の月間得点王になった時は、僕がご飯を作りに行くんです。それで、僕がまた単独で任務をこなすことができたら、その時は彼がサッカーの試合に招待してくれるんですよ」

「とても素敵な約束だね」

「はい。だから僕、できそうな任務は積極的に受けていきたいんです」

「わかった。ハルくんにやってほしい任務があったらお願いするから、その時はよろしくね」

「はい。こちらこそよろしくお願いします!!」


 この日の試合で雅紀は、今月で二点目となるゴールを決めた。


(この調子だと、すぐに雅紀くんに会うことになりそうですね)


 晴久は、月末の休みは予定を空けておこうと思い微笑むのだった――――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ