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私の上司はいたずら好きだ
湊人が管制室を出た頃、透花と柊平はコックピットで会話を交わしていた。
「柊平さん、お疲れ様。無事に着陸できたね」
「……はい」
「約束も、守ってくれてありがとう」
「約束、ですか……?」
「さっき、私のことは命に代えても守るって言ってくれたでしょう?」
「あ、あれは……!!」
「この通り、私はきちんと生きていますので」
焦ったような表情を浮かべる柊平をよそに、透花はいたずらに笑う。
「あまり、からかわないでください……」
「ごめんごめん。さて、まだ色々とやらなければならないことがあるから行こうか。とりあえず、機長をお医者様に見せないといけないね」
「……私が運びます」
「お願いします。私は、怪我人がいないか客室を確認してくるね」
二人はこの後、現場の後処理や報告などに追われることになる。
屋敷に辿り着いた頃には、星が瞬く時間になっていた――――――――――。