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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十七話
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この命に代えても

「できた……!」


 湊人は宣言通り、目標としていた十分以内のプロテクト解除に成功した。

 すぐに、透花と通信を繋ぐ。


「もしもし、透花さん。解除に成功したよ」

『湊人くん、ありがとう! やってくれるって信じていたよ』

「お礼は、ちゃんと助かってから顔を見て言ってほしいなぁ。手動モードに移行するね」

『了解! 機長、ここからはお願いしま……』


 ここで、透花の声が途切れた。

 だが、通信が遮断されたわけではないようだ。


「……透花さん? どうかしたの?」

『機長が、失神してる……!』

「……それ、本気で言ってる?」


 なんと、極限の緊張状態に機長が意識を失ってしまったのだ。


「……副機長がいるでしょ。彼に頼めば……」

『副機長は、客室に行ったきり戻ってきていないの。恐らく、乗客の混乱を抑えるだけで手一杯なんだと思う。だから、すぐに呼び戻すことは……』

『……隊長、私が操縦します』


 そう言うと柊平は、レバーに手を掛けた。

 彼は、様々な乗り物の運転をマスターしているのだ。


『柊平さん……』

『二階堂、一番近い空港に緊急着陸する。そちらで連絡を取ってもらえないか』

「……わかった。顔も知らないパイロットより、あなたの方がよっぽど信用できるよ」

『安心しろ。この命に代えても、隊長はお守りする』


 湊人はすぐに透花たちの乗る飛行機に一番近い空港を調べ、連絡を取った。

 緊急事態について伝わっていたようで、すぐに着陸の許可が下りる。


「着陸許可、下りたよ……!」

『了解した。……隊長、放送を入れてもらっても構いませんか』

『わかった! 当機はこれより、緊急着陸態勢に入ります。皆様、衝撃に備え出来る限りの安全な姿勢を取ってください……!』


 こうして透花たちの乗る飛行機は、降下を開始したのだった――――――――――。

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