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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十七話
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無沙汰は無事の便り

 湊人は、プログラムに掛けられたプロテクトを次々に解いていく。

 その仕事ぶりに、突然やって来た彼に反感を持っていた輩も目を見張るばかりだ。


(さて、残りは二つになったわけだけど……)


 とうとう、最後の二機を残すのみとなった。

 その内の一機は、透花と柊平の乗っている機体である。


(隊長殿の言う通り、こっちを優先させてもらうよ)


 透花に言われたように、二人が乗っていない機の解析に取り掛かる。

 ――――――――――だが、これが湊人の想像以上に曲者だったのだ。


(……あー、もう! めんどくさいなぁ!)


 いくら解いても、すぐに次のプロテクトが湊人の前に立ちはだかる。

 湊人は苛々しながらも、一つずつそれに立ち向かっていった。

 そして解析を終えた頃には、三十分という時間が経過していた。


(さっきまでは、一機に五分もかからなかったのに……)


 この時、初めて湊人の心を不安が過ぎった。


(……透花さんたちの乗っている機体の解析にも、同じくらいの時間がかかる。本当に、間に合うのか……? さっきから連絡がこないけど、まさかもう墜落してるんじゃ……。……いや、そんな報せはきてない。どれくらいかはわからないけど、まだ時間はあるはずだ……)


 湊人は悪い考えを振り払うように首を振ると、再びモニターに向かう。

 だが、焦りは増していくばかりだ。

 彼に追い打ちをかけるような通信が入るまで、あと十分――――――――――。

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