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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十六話 謳歌しようじゃないか!プリムラ・ポリアンサな日々を!
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デコがすーすーするぜ……。

 いよいよ、文化祭初日である。

 颯と心の通う高校の文化祭は、連休を使い三日間に渡って行われる。

 登校し、本日のシフト表を見た颯は驚愕した。

 すると、クラスメイトの一人が申し訳なさそうに話しかけてくる。


「な、なんか俺のシフト多くねーか……!?」

「緒方! 悪い! なんか今日は、部活やら有志やらの企画に参加する奴が多くてよ~。どっちもやってないお前の出番、多くなっちまったんだ!」

「これだけ長い間、女子と……!? きゃ、客の女も来るのに……!?」

「まっ、その辺は心配すんなって。お前がシフトに入ってる時は、ずっと有川がいるからさ。接客はあいつに任せて、お前は簡単な仕事してくれればいいから!」

「お、おう……」

「じゃあこれ、お前の衣装な! 使ってない教室が更衣室になってるから!」


 颯は燕尾服を受け取ると、更衣室へと移動した。

 他に着替えをしている者はおらず、貸し切りの状態である。


(燕尾服にヘアバンドは、さすがにねーよな……)


 着替えを終えると、無人なのを確認してからヘアバンドを外す。

 そして、持ち前のメイク技術を駆使して額にある刺青を隠し始めた。


(こんなもんか……。うう、デコがすーすーするぜ……)


 完璧に隠し終えると、髪の毛をセットし直し教室へと戻る。

 ヘアバンドを外している颯は、いつもよりも大人っぽく見えるようだ。


「緒方! お前、ヘアバンドない方がかっけーじゃん!」

「こっちの方が絶対に女子にもてるぞ!!」

「ぜんっぜんもてたくないからいいんだよ!」


 クラスメイトと戯れている颯を見ながら、何やら女子が噂している。


「緒方、ヘアバンドないと大人っぽいねー」

「うん。いつもは子どもっぽい感じだけど、あれはアリかも~」

「ちょっとかっこよくない? 有川くんには負けるけどさ!」


(ヘアバンドがないだけであんなに雰囲気変わるんだっ……。かっこいい、なぁ……)


 口には出さないものの、寧々も同じ気持ちのようだ。

 これは、文化祭が始まる約一時間前の出来事である――――――――――。

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