~~~~~~~~~~~~っ!!
今日も、文化祭の準備は順調に進んでいる。
当日が近付いてきたので、男女揃って同じ教室内で作業をしていた。
颯も、隅の方で小さくなりながらもなんとか役目をこなしている。
その時のことだった――――――――――。
「お前それマジかよ!?」
「マジマジ! ほんとウケるよな!」
「あっ……」
颯のクラスメイト二人が、ふざけ合っていたのだ。
一人が、もう一人の肩を軽く押す。
男子生徒の体が、その後ろに偶然いた女子生徒の体を押してしまう。
更に後ろにあるのは、ペンキを塗ったばかりの看板だった。
「あぶねえ……!」
颯の体は、咄嗟に動いていた。
そして、女生徒の手を引く。
これによって、看板も女生徒も守られたのだった。
「間一髪だったな! おい! お前ら! ふざけるなら廊下でやれよ!!」
「緒方、わりい! 後ろに人がいたなんて気付かなくて……」
「マジでサンキュ! ……っていうかお前、それ平気なの?」
クラスメイトの視線の先にあるのは、颯の手である。
その手は、女生徒の腕を掴んだままだったのだ。
「~~~~~~~~~~~~っ!!」
颯は言葉にならない叫びをあげると、すぐさま手を放す。
そして、青い顔をしながら教室を出て行ってしまった。
「ちょっと男子! ふざけないで真面目に作業してよ!」
「そうだよ! 寧々ちゃんにペンキが付くとこだったじゃん!」
「藍原さん、大丈夫~?」
「緒方くんのおかげで、汚れずに済んだね!」
「う、うんっ……」
一方、先程助けられた女生徒である寧々は、颯に触れられた箇所を抑えながら顔を真っ赤にしていたのだった――――――――――。