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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十六話 謳歌しようじゃないか!プリムラ・ポリアンサな日々を!
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か、会話したぜ……!(※してません)

「寧々ちゃん、またいらっしゃいね。ガールズトークしましょ!」

「はいっ!」

「颯ちゃんはほどほどにしなさいよね! 来てくれるのは嬉しいけど、服ばっかり買ってるとすぐにお金なくなっちゃうんだから!」

「わかってるって!」


 颯と寧々が由莉の店を出る頃には、日も暮れかかっていた。

 颯はそのまま、寧々に挨拶もせずに帰路に着こうとする。


(何か言った方がいいんだろうけど、俺には無理! さっさと帰るに限るぜ……!)


 歩き出してしまった颯を、寧々が呼び止める。


「あ、あの、緒方くんっ!」


 名指しで呼ばれたので、颯は足を止めた。

 だが、決して振り返ることはしない。


「素敵なお店に連れてきてくれてありがとう! 衣装も決まってよかったね! 文化祭がんばろう! ば、ばいばいっ!」


 同じ空間にいたおかげで、寧々は颯に少し慣れたのだろう。

 颯は一刻も早くこの場を立ち去りたいが、無視することはできない。

 苦肉の策で、右手を少しだけ上げた。

 そして、今度は走り出してしまう。


(お、俺、一人でも女子と喋れた……! 遂にやったぜ……! 家に着いたら、誰かに褒めてもらおう!! うおおおおおおおおおお!!)


 反応を返しただけで、決して会話にはなっていない。

 颯がこのことに気付くのは、屋敷に着いて話を聞いた虹太に突っ込まれた時だったという――――――――――。

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