表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十六話 謳歌しようじゃないか!プリムラ・ポリアンサな日々を!
413/780

なんでもいいから、とにかく早く決まってくれ!

「はいはーい! 有川くんがいるんだし、飲食店がいいと思いまーす!」

「私もさんせーい! カフェとかどうかな?」

「カフェねぇ。いいんじゃね?」

「中学の文化祭は、展示とかお化け屋敷とかだったからな~。飲食店って憧れあるわ!」


 男女混合での話し合いは、みんなどこかそわそわしているが問題なく進んでいた。

 芸能活動をしている夏生を広告塔として、飲食店を開くことになりそうだ。

 視聴覚室に来るまでは威勢の良かった颯だが、今ではすっかり憔悴してしまっている。

 夏生の隣の席に座ったのが、運の尽きだ。

 女子からこちらに視線が向けられる度に、どんどん顔色が悪くなっていく。

 自分が見られているわけではないと、理解しているにも関わらずだ。

 こればかりは、いくら気合いを入れたところでどうしようもないのである。


「有川は、それで大丈夫か? 客寄せパンダみたいになっちまうけど……」

「うん! 僕は平気だよ!」

「やっぱり有川くんって優しいんだね!」

「ねっ! 二組でよかったー!」

「せっかくの文化祭だし、どうせならコスプレとかしようよ!」

「いいね! 私、有川くんの執事姿見てみたいかもー!」

「男子が執事なら、女子はメイドの格好しろよな!」

「やだー! 男子ってばへんたーい!」

「そう言うなって! その格好なら、カフェでも違和感ないしな!」


 小さくなっている颯をよそに、話し合いはどんどん進んでいく。

 最終的に、執事とメイドに扮した生徒たちが軽食や飲み物を提供する店に決定した。


(決まった……! これで、この空間ともオサラバだぜ……!)


 一人でガッツポーズをしている颯は、まだ知らない。

 この先に、更なる地獄が待っていることに――――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ