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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十五話 オーランピドールの雫を飲み干して
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小さな引っかかり

(なんなんだ……? この違和感は……)


 柊平は、雪男の攻撃を躱しながら思った。

 既に二匹の雪男は眠り、一匹は薬が効いてきたようで足元がふらついている。

 残りの二匹と相対しているのだが、彼らの攻撃にはまるで知性が感じられないのだ。


(私を殺したいはずなのに、連携などもせずにただ拳を振り上げて襲い掛かってくるだけ……。私が避ければ、仲間同士でぶつかることすらある……。昔は、人間を脅かしていただけだと山守は言っていた。その加減ができるならば、もっと賢い攻撃ができてもおかしくないはずだ。ある程度の頭脳を持っているものだと思っていたが……)


 柊平はそのまま、二匹の雪男を剣で斬り付ける。

 そして再び、彼らの攻撃を凌ぎ始めた。

 睡眠薬が効いてくるまで、一撃も喰らわずに時間を稼がなければならない。


(おかしいといえば、もう一つ……。攻撃に主体性が感じられない。自我を失っている、のか……?ぱかおが巨大化して自我を失っていた時と、少し似ているような気がする……)


 時間が経つ内に、雪男たちの攻撃の手は緩くなっていく。

 どうやら、最後の二匹にも薬が効いてきたようだ。

 徐々に足が動かなくなり、そのまま倒れ込んでしまった。


(……よし。早く隊長たちを追いかけなければ)


 柊平は、多少息が上がっているものの無傷でこの場を乗り切ることに成功した。

 二人を追いかけるため、洞窟の奥へと足を踏み出そうとした時のことである。


(この気配は……!)


 振り向くとそこには、最初に眠らせた雪男が立っていたのだった――――――――――。

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