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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十五話 オーランピドールの雫を飲み干して
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洞窟の奥から聞こえる声

 透花たちの前に現れたのは、近くの小屋で山守をしている男だった。

 疲労している三人を家に連れ帰ると、温かい飲み物を出してくれる。

 それをありがたくいただきながら、透花はここまでの経緯を説明した。


「そうか。王都では、そんな病が流行ってるんだなぁ」

「はい。その病を治すためには、オーランピドールという植物が必要で……」

「オーランピドール!? やめとけやめとけ! あんなもん、取りに行くのは無理だ!」


 この口ぶりから、山守はオーランピドールについて何かを知っているようだ。


「オーランピドールについてご存知なのですか? 幻の花と聞いて来たのですが……」

「儂の一族は、代々山守をしているからな。この辺のことならなーんでも知っとるよ」

「よろしければ、オーランピドールについて教えていただけませんか?」

「それは別に構わねーけどよ……」

「ありがとうございます。情報不足なので、とても助かります」


 透花の笑顔に絆された山守は、少しずつ情報を話し始めた。


「オーランピドールが、どんな場所に生えてるかは知ってるか?」

「はい。洞窟の奥だと聞きました。ですが、この辺りには洞窟がいくつもあると……」

「ああ。それも、似たような洞窟がたーくさんな。しかも、その中のどれか一つしか当たりはないときてる。……だけどよ、一つだけその洞窟を見分ける方法があるんだ」

「……その方法とは、どんなものなんでしょう?」

「……当たりの洞窟からは、声が聞こえるんだよ」

「声、ですか……?」

「……ああ。オーランピドールを守る、雪男たちの鳴き声がな」


 山守から発せられた言葉に、三人は思わず息を呑むのだった――――――――――。

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