387/780
一面に広がっていたのは
(やっぱり、僕の見間違いだったのか……)
家の中を捜索してみるが、特に変わったところはなかった。
そこは、理玖がこの家を出た時のまま綺麗に保たれている。
(ん……? どうしてこんなに綺麗なんだ……?)
彼がこの場所を離れてから、既に一年近くが経っているのだ。
その割には荒れておらず、清潔過ぎる。
人の手が加えられているのは間違いないだろう。
(やっぱり、この家には人が出入りしているな……。それにしても、どうして……)
こんなことをするのは、先程見かけた人物しかいない。
だが理玖には、その理由が全く思い当たらなかった。
(……何もないとは思うけど、一応見ておくか)
確認のため、全ての部屋に目を通すことにした。
最後に訪れたのは、地下にある栽培場である。
日の光をほとんど必要としない稀少な植物を、ここで育てていたのだ。
(………………………………!! どうして、ここに……)
扉を開けた理玖は、驚きで目を見開いた。
そこには、彼が探し求めていた解毒草が生い茂っていたのだから――――――――――。