表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十五話 オーランピドールの雫を飲み干して
386/780

懐かしい後ろ姿

 透花たち三人は、森を抜けるべく歩き続けている。

 その途中で、とある建物が見えてきた。


(……ここは、変わらないな)


 そこは、理玖が以前住んでいた家だった。

 理玖が離れた時と変わらず、静かに佇んでいる。


(ん、あれは……?)


 無人のはずの家から、誰かが出て来る。

 理玖はその後ろ姿に見覚えがあった。


(どうして、あの人がこんな所に……)


 その人物は、すぐに木々に紛れ消えてしまう。

 透花と柊平に視線を向けるも、二人は会話をしていたので気付いていないようだ。


(僕の見間違いか……?)


 理玖は、あまり視力がいい方ではない。

 それに加え距離があったので、見誤った可能性も否定できない。

 だが、今の彼らにはどれだけ小さな手がかりでも欲しいのだ。


「……二人とも、少しいいかな。うちに寄っていきたいんだけど」

「……何かあったのか?」

「……気になることがあるんだ。急いでるのはわかってる。時間はかけないから」

「大丈夫だよ。今回は、柊平さんも家に入れてもらえるよね?」

「……好きにしてよ。僕から、外で待っていてなんて言う気はないから」


 いたずらな微笑みを浮かべる透花に、理玖はため息交じりで返事をする。

 こうして三人は、理玖が以前暮らしていた家へと足を踏み入れたのだった――――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ