消失した解毒草
「これは……」
「まさか、こんなことになっているなんて……」
「………………………………」
三人は、デザントクスィカフィーヌの生息地までやって来た。
だが、目の前に広がる光景に言葉を失ってしまう。
そこに生い茂っているはずの植物が、根こそぎなくなっていたのだ。
その場所には何も生えておらず、一面の土壌が広がっている。
「……他の場所に行こう。そこから、まだ残ってるかもしれない」
理玖の案内に続き、他の場所にも行ってみる。
……だが、結果は同じだった。
全ての場所から、デザントクスィカフィーヌが消えているのだ。
刈り取られたわけでも、燃やされたわけでもない。
土を掘り返され、根っこごとどこかに移動されているようだ。
「……この森の生息地はここで全部なのか?」
「……ああ。僕が知る限りはここで最後だ。……こうなったら、他の森で探すしかない」
「じゃあ、すぐに向かおう。理玖、一番近い森まで道案内を頼める?」
「……うん。少し速度を上げるから、無理だったら言って」
「……わかった」
「よし! 私たちにはあまり時間がないからね。急いで行こう!」
三人は、進む速度を今までより上げた。
そして、この森を抜けるべく歩き出したのだった――――――――――。