表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十四話 羽衣草を持っていくよ
379/780

感染ルート、判明

 部屋に戻った理玖は、マスクの分析を行っていた。


(やっぱり……。このマスクが感染源で、間違いない)


 すると理玖の読み通り、プワゾモルティージュの成分が検出されたのだ。


(……なんらかの方法で、プワゾモルティージュを時限式の毒草へと変える。それをマスクに塗り込み、必ず吸い込むように仕向けたんだ……。帰ってきた彼らは、マスクなんてつけてなかった。十中八九、植物園で回収されたんだろう。燃やしてしまえば、なんの証拠も残らない。でも、こんなことができるのなんて……)


 そこまで考えた理玖は、首を小さく横に振る。


(……いや、今はこんなことを考えてる場合じゃない。とにかく、彼女に伝えよう)


 理玖は、部屋を出ると階段を下りる。

 すると、玄関で透花と出くわした。

 一太を見送ったところのようだ。


「……彼、帰ったの」

「うん。ちょうど今帰られたところだよ。マスクはくれるって」

「……そう。あの、話があるんだけど」


 理玖は、自分の分析結果、そして考察を透花に話す。

 透花はそれを、静かに聞いていた。


「……というわけで、他人から貰った物を容易に身に付けないように通達してほしい。方法はわかったけど、目的まではわからない。……もしかしたらまだ、続くかもしれないから」

「わかった。すぐに軍本部に連絡しておくね。二つの薬草を取りに行くことについてはみんなが帰ってきてから話し合いたいんだけど、それでも大丈夫かな?」

「……ああ。この毒に即死性はない。……だけど、あまり長引かせたくはないな」

「みんなにも、それぞれ仕事や学校が終わったらすぐ帰宅するように連絡しておくよ」


 理玖のおかげで、症状を引き起こす原因や感染のルートなどは判明した。

 あとは、解毒のために必要な二つの植物を手に入れるだけである。

 ……だがそれも、簡単な道のりではない。

 一筋縄ではいかない旅路に、一色隊は繰り出そうとしていた――――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ