表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十四話 羽衣草を持っていくよ
377/780

幻の花、オーランピドール

(プワゾモルティージュを解毒するために必要なのは、オーランピドールとデザントクスィカフィーヌ……。これは、大変だな……)


 サンドイッチを食べ終えた理玖は、様々な文献を読み漁っていた。

 そして漸く、解毒に必要な植物が判明したのだ。

 だがこの二つの植物は稀少なもので、理玖でも持ち合わせていなかった。


(デザントクスィカフィーヌはまだいい……。扱ったこともあるし、生えている場所も知ってる……。だけど、オーランピドールは……)


 デザントクスィカフィーヌは、理玖の出身であるエルブ地方で採れるものだ。

 彼が家族と住んでいた家の周りにも生えていた。

 だが王都では栽培されていないため、エルブ地方まで行かなければならない。

 それよりも厄介なのは、オーランピドールという花だ。

 グラソンという寒い地方のどこかに生息しているらしい。

 だがあまりにも人目に触れることがないため、幻の花と呼ばれている。

 そして、扱いが難しい花でもあった。


(この二つを採集しに行くとしても、僕一人じゃ無理だ……。彼女の帰りを待つか……)


 理玖が言う彼女とは、透花のことである。

 透花は、朝から王宮に呼ばれ屋敷を空けていた。


(食器、台所に置きにいかないと……)


 先程晴久と交わした約束を破るわけにはいかない。

 理玖は食器を持って部屋を出ると、階段を下りた。

 キッチンに着くと、自分でそれを洗い乾燥機にかける。

 そして、自室に戻ろうとしたところで玄関の扉が開く音が聞こえた。

 透花が帰ってきたと思った理玖は、玄関に向かう。


「ただいま」

「お邪魔します!」


 そこには確かに透花がいたが、一人ではない。

 彼女の隣には、先日理玖のことを女性と間違えた男が立っていた――――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ