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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十四話 羽衣草を持っていくよ
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広がる脅威

 翌朝になっても、大和と美海の熱は下がらなかった。

 透花は学校へ、二人の欠席を連絡するために電話をかける。

 すると昨日遠足に行った全児童、そして教師も体調を崩していることが判明したのだ。

 心配する心をなんとか学校に送り出した理玖は、原因を考え始める。


(……僕の薬が効かないなんて、よっぽどのことだ。二人だけじゃなくて他の子どもたちも感染しているとなると、十中八九昨日の遠足のせいだろう。早く原因を突き止めないと、これ以上の被害の拡大にも繋がるか……)


 理玖はマスクと手袋をすると、大和の部屋に入っていく。

 何が原因で理玖にも感染するか、わからないからだ。

 大和が寝ているのを確認してから、血液と唾液を拝借した。

 美海の部屋でも同じことを行い、自室へと戻った。


(……そうだ。一応、彼には連絡しておくか)


 理玖は、徐に電話を手にするとどこかと連絡をとり始めた。


『はい! 佐々木だべ!』

「……僕だけど」


 電話相手は、どうやら大吾のようだ。


『先生! どうしたべ? もしかしてもう、出勤の時間だったか!? おら、遅刻か!?』

「……違うよ。今日は、来なくてもいい」

『えっ!? なんでだ!? ま、まさかクビじゃ……!?』

「……屋敷で、あんまりよくない病気が流行ってる。君は丈夫そうだけど、君を介して奥さんにうつったら大変だろう。だから、今日は休みでいい」

『焦ったべー! わかった! それにしても春原先生はやっぱりやさし……』

「……じゃあ、僕は忙しいから」


 大吾の話を最後まで聞かず、理玖は電話を切ってしまった。

 そして、先程採取してきた血液、唾液と向かい合う。


(これを調べて、何かわかればいいんだけど……)


 こうして理玖は、病気の原因を究明すべく分析を始めたのだった――――――――――。

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