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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十二話 ディモルフォセカな君が好き
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僕のエゴなのかもしれない

 両親の声を聞き、ぱかおは目を覚ました。

 相変わらず、目は虚ろなままだ。

 慣れた手付きで窓の鍵を開けると、そのまま庭に飛び出していく。


「ぱかお……! 待って……!」


 心も、急いで部屋を出て玄関に向かう。

 この間のように、階段を転げ落ちるような真似はしなかった。

 庭に出ると、心の視界には仲睦まじいアルパカの家族が飛び込んでくる。

 三匹は寄り添い、慈しみ合うようにお互いの体を舐めていた。

 それを見た心は、分からなくなってしまう。


(ぱかお、嬉しそう……。お父さんとお母さんと一緒の方が、ぱかおは幸せなのかな……。ぱかおにここにいてほしいって思うのは、僕のわがままなのかな……?)


 三匹の姿を呆然と眺めていると、それに父親と母親が気付いた。


(おい、あの方は……)

(……まあ。いくら呼び掛けても息子が戻ってこないはずですね)


 二匹はぱかおから離れると、こちらへゆっくりと歩いてくる。


(まさか息子が、あなた様のような方と一緒にいるとは……)

(今まで息子を預かっていただき、ありがとうございました)


 そして、心の前で止まると恭しく頭を垂れたのだった――――――――――。

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