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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十二話 ディモルフォセカな君が好き
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湊人の仮説

 ぱかおが深夜に出掛けていることが判明してから、あっという間に数日が経った。

 その間もぱかおは、毎日夜になると家を空けている。

 透花と柊平、蒼一朗が中心になって追っていたのだが、彼らにも疲労の色が見えてきた。

 夜は眠れないし、ぱかおのスピードが速過ぎて車でも追いつくことができないのだ。

 湊人が発信機の情報をカーナビゲーションシステムに組み込んだため、居場所を特定できるのが唯一の救いと言ってもいいだろう。


「少しいいかな。彼の深夜徘徊について、僕なりの仮説を立ててみたんだけど」


 その日の夜、湊人によって全員がリビングに集められた。

 大和と美海は既に寝ているため、この場にはいない。

 全員が集まると、湊人はプロジェクターを使用しながら説明を始めた。


「これは、ここ数日でぱかおが走ったルートを示してる」


 そこには、一色邸を中心とした王都の地図が表示されていた。

 ぱかおが走ったと思われる道は、赤線で描かれている。


「その日によって、走る道は少しずつ違うみたいだ。だけど毎日、必ず同じ場所まで行ってからこの屋敷まで引き返して来てる。それがここなんだけど……」


 湊人が操作すると、その場所が点滅を始めた。


「……こっちの方向に何があるか、透花さんならもう気付いてるよね?」

「……私に言わせなくても、自分で言えばいいのに。相変わらずいい性格してるなぁ」

「ふふっ、今日も褒め言葉をありがとう」


 透花はため息を一つ吐くと、重い口を開いた。


「……ぱかおが心くんと会った、森があるね」

「その通り。……もしかして彼、野生に戻りたいって思ってるんじゃない?」


 その言葉に、心は自分の頭が真っ白になるのを感じた――――――――――。

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