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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十二話 ディモルフォセカな君が好き
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元気な顔が見たいよ

「ただいま……」

「心くん、おかえりなさい」

「晴久さん、ぱかおは……?」

「それが……」


 心が帰宅しても、ぱかおは眠ったままだった。

 晴久によると、昼頃に一度起きたらしい。

 すごい勢いで食事だけすると、話をする間もなく再び寝てしまったそうだ。


「最後の方は、お皿に顔を入れたまま寝てました……」

「そっか……」

「……今日の夕飯はカレーの予定なんです。心くんも、ぱかおくんに負けないくらいたくさん食べてくださいね」

「ん……」


 心を元気付けようと、晴久は明るく声をかける。

 ぱかおの様子が変わってから、心は食が細くなってしまっているのだ。

 この日も、心は一度もお代わりすることなく夕飯を終える。

 今までなら、カレーの日はご飯かルウのどちらかがなくなるまで食べていたのだが。

 夜も更け、心の就寝時間が近付いてもぱかおは眠り続けたままだ。


(ぱかお、ほんとにどうしちゃったんだろ……。早く起きて、元気な顔を見せてよ……)


 そんなことを考えながらベッドに横たわると、ぱかおを抱く。

 最近は、可能な限りこの体勢で寝るようにしていた。

 今までのように話が出来ない分を、必死に取り戻そうとしているのだろうか。


(もふもふで気持ちいい……。すぐに眠くなっちゃうな……)


 ぱかおの毛に触れている内に、心はいつの間にか夢の世界へと旅立っていたのだった――――――――――。

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