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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四話 群生するヒヤシンス
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決着

 勝負は、ラストスパートで決まった。


(ダメだ! 引き離される…!)


 そこまでは恵輔にやや先行を許してはいたものの、ほぼ並走のかたちを保てていた。

 だが、残り一周で恵輔がかけたスパートに、全くついていくことができなかったのだ。


(完敗だ……)


 ゴールした蒼一朗は、その場に倒れ込み空を見上げる。

 呼吸を整えている彼の視界に、どこか残念そうな恵輔の姿が写った。


「どうしたんすか? せっかく勝ったのに、浮かない顔してるっすね」

「いや、勝てたのは勿論嬉しいよ。でもかなり速く走れたから、もしかしたら僕の1500メートルの自己タイムを更新できてたかもしれないなぁって思って……。ちゃんと計っておけばよかった……」


 そう言いながら肩を落とす恵輔に、蒼一朗は笑いが込み上げてくるのを抑えられない。


「ふっ、あはははは! 部長さんって大概、陸上バカなんすね」

「それ、よく言われるよ。自覚はないんだけど、他人に言われるほどかなぁ……」

「俺、そういうの嫌いじゃないっすよ。……これから、よろしくお願いします」


 蒼一朗は立ち上がると恵輔の前に行き、頭を下げた。

 その様子を見た恵輔は、笑顔でそれに応える。


「任務外でも体を動かすから慣れるまでは大変だと思うけど、君ならできると僕は信じてます。柏木くん、これからよろしくね」


 こうして蒼一朗は、駅伝部への入部を決めたのだった。

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