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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四話 群生するヒヤシンス
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朗らかな人

「部長さん、すんません」

「どうしたの、柏木くん。もしかして、入部してくれる気になった?」


 蒼一朗は、練習を終えた恵輔に声をかけた。


「まぁ、なんつーかそんな感じなんですけど……」

「ほんと!?」

「……一つ条件があります」

「条件? なんだい、言ってごらん」

「……俺と、1500メートルで勝負してもらえませんか?」

「勝負?」

「はい。俺が勝ったら、さっき言ったように入部は断らせてください」

「それで、僕が勝ったら入部してくれるってことかな?」

「……うす」

「いいよ。やろうやろう!」


 恵輔は朗らかに笑う。

 その反応に、蒼一朗は戸惑ってしまった。


「……余裕っすね」

「そんなことないよ。僕が負けたら入部してくれないんだから、責任重大だなって思ってる」

「その割には、軽いっつーか元気っつーか……」

「だって、走るのって楽しいだろう? 君とならいい勝負ができそうだし。僕、こう見えても負けず嫌いなんだ。君に入部もしてもらいたいし。……負けないよ?」

「……俺もっすよ」


 蒼一朗は、この部の雰囲気がいい理由がわかった気がした。

 駅伝部の部長だというのにどこか柔らかな、この男の人徳故なのだろう。

 二人の勝負が、今、始まる――――――――――。

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