表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第三十一話 ライラックの香りを求めて
327/780

波間に落ちる

 蒼一朗が海に潜ってから、既に一時間ほどが経っている。

 状況を報告するために時々船に戻って来るのだが、人魚が見つかる気配はなかった。

 さすがの蒼一朗にも疲れが見える。


「少し休憩しようか」

「僕、ハチミツのレモン漬けを作ってきました。蒼一朗さん、どうぞ」

「サンキュー、ハル。……うめー! 疲れがとれるわ」

「それならよかったです。柊平さんもいかがですか?」

「……私も貰ってしまっていいのか?」

「はい、勿論です。たくさん作ってきましたから。透花さんもどうぞ」

「ありがとう、ハルくん。心くんとぱかおがいたら喜びそうだね」

「そうですね。二人ともハチミツが大好きですから」

「……あいつらがいたら、俺らの分は残んねーだろうな」

「……同感だ」


 四人が和やかに談笑をしていた、その時だった。

 彼らが乗っている船を、突如大きな波が襲ったのだ。

 どこかで発生した波が押し寄せてきたのではない。

 本当に突然、その場に波が出来たという表現が正しいだろう。

 それ故に、この事態に対処できた者は一人もいなかった。


「ハル……!」

「遠野……!」

「ハルくん……!」

「あ……」


 波により船が揺れ、足元が不安定になる。

 晴久はそのまま、海に投げ出されてしまった――――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ